物語シリーズをサブスクで見返していた。アニメの限界に挑戦した、尖った映像表現が気持ちいい……いや、そんな綺麗事はやめよう。純粋にもうめちゃくちゃ素晴らしい作品だ。会話は面白いし、ヒロインの可愛さにはずっと胸をぐちゃぐちゃにされた。こんな良いものがあって本当に良かったと思った。
ここからは気持ち悪い自分語りだけど、この数年間、非オタク的なものに心を奪われ続けてきた。男は夢精するし、女は生理が来る。就職とか、恋愛を1/100未満に薄めた何かとか、個人的な社会経験によるものかもしれないけど、とにかく、会話がリアルな男女のそれに近かったり(個人的には、非オタク的な恋愛小説だと社会とか第三者の価値観が出てくる確率が高いと思う)、ハーレム的な都合の良い展開がなかったり、そういう作品が好きの基準になっていた。現実に近い=良いこと、非現実=悪いこと、みたいな。
だけど、いくら非現実だろうと、それが輝いているなら良くない??と昔の作品を見ていて思い始めた。化粧がいらなくて生理が来なくて、やけに昔の文化に詳しくて論理的で、でもそういう女の子でしか描けない輝きはあるんだと思う。それを現実じゃないからといって否定することの何が正しいんだろう??
今の創作はわりと現実に近いものとして書こうとしている。キャラに性欲があるしみんな元カノや元カレがいる。化粧があるし生理も来る。それはここ数年の自分の好みを反映したものなんだけど、とはいえ、昔自分が好きだった作品を観ると、価値観はぐらぐら揺らぎ続ける。都合の良いフィクションの何が悪いのか?現実が描きたいなら恋愛リアリティで良いんじゃないか?一番カッコいいのは現実と創作、2つの価値観をうまく使い分けられる大人じゃないのか?
まあ、答えは出てないんだけど……少なくとも、改めてまたフラットに色んな創作を好きになれる気がする。自分が何を作れるかはまた数カ月かけて考える。