SAEKOのリリースが終わって東京に戻ってきた。4日くらい滋賀と京都にいた。色々なことが起きて、全ての種類の脳内物質が出た。賤ヶ岳、木之本地蔵尊、ホテルリブマックス京都鴨川前307号室(朝6時にSteam審査通過の連絡が来て飛び起きた)。もう二度と忘れることはないと思う。人生の貴重な思い出となった。

リリースからは、数字を確かめようとする自分を必死に制御している。SAEKOは数年前の自分を唯一のプレイヤーとして作った。逆張りクソサブカル大学生。だから激烈に人を選ぶ描写がたくさんある。刺さらない人には刺さらない。仕方ない。Twitterや、Discord上でSAEKOに脳を溶かされた様子のプレイヤーから、長文の感想が何通も届いた。もうそれで十分じゃないか?

あと嬉しかったのは、ゲームの特徴を徹底的に言語化して褒めてくれたゲームメディアがいくつもあったこと。全てに感謝しているけど、内容の読み応えという点では以下の2つが特に良かった: IGN Japan, NOOBFEED。いずれもゲームのシナリオやグラフィックに留まらず、背後にあるシステムの構造に触れてくれた。特にIGN Japanの記事のシナリオ解釈は、分岐のあるノベルゲームとしての非常に深い構造に着目していて、自分が天才文学者になった気がした。どこまでが自分の意図だったかは……まあ、もう、言わないほうがいいだろうな……。

改めて、数字はしばらく見ないようにする。リリース直後の売上って、内容とはあまり関係ないと思うし。ただ、「変わったアドベンチャーゲームがやりたいならこれ!」みたいな候補に、SAEKOが10年後とかも入ってくれていたらそれが一番嬉しい。