札幌に行く用事があったので、3泊追加して稚内と礼文島に行った。楽しかった。これまで行った旅行の中で一番良かったかもしれない。

レンタサイクルで100km以上走った。礼文島は海沿いに道があって、波打ち際に金色の昆布が見えた。道路脇には黒い実のようなものが何個も落ちていて、あとでそれがウニの殻だということに気づいた。中身は空になっていた。水鳥が食べたあとの残骸なのだろうか?帰りのフェリー乗り場の食堂でウニ丼を食べた。「時価」って書いてて怖かったけど、殻だけ目にして去るのは悔しいような気がしたから。

稚内は宗谷岬まで走った。海沿いは直線道路だった。信号も建物も人通りもなくて、何km走っても景色が変わらなかった。「白い道」という観光名所があるらしく、帰りは坂を登って丘の中を走った。霧に覆われて何も見えなくなった。GPSの表示を頼りに帰った。左右に牧場が広がっていて、放牧の黒い牛が不審そうに僕を見ていた。白い道は、ホタテの貝殻を敷き詰めたらしく、じゃりじゃりとした中を走った。パンクを恐れながらゆっくり走った。

旅行の帰り道、宗谷本線に乗って札幌へと帰りながら、すごく晴れやかな気分になっていた。なんでだろう?バカっぽい話だけど、インターネットの外の世界が存在していることに気づいたから、とか。家にいると、何よりもインターネットだけが存在しているように見えて、それに達成感を得られるような課題も少ない。圏外の道を自分の脚で走っていると、自分が実在していて、しかもそれなりには頑張れる、という当たり前の事実に全身で納得できる気がした。

まあ、だからといって、「インターネットやめる!自然とともに生きる!」みたいなことにはならないけど。アニソンのCメロみたいな感じで、目の前の景色に変化をつけられたのがよかった。これからはまた部屋にこもってゲーム作ったりする。でもふとした拍子に稚内の道を思い浮かべだりして、それだけで調子がだいぶ変わるはず。あとロードバイクは真剣に購入を検討中。